2009年11月 7日 (土)

近代居合術、現代能

 近代居合術というのは、戦前(昭和15年頃)の陸軍士官学校で採用されていた、近代戦に対応した軍刀術。軍服を着、ブーツをはいた状態で、軍刀を使うため、伝統的な座位はなく、立ち技のみ。居合から五本の型のみを採用、それと、走りながら斬撃する操法がある。戦後、陸軍の解体とともになくなったが、その技術は、現存している。
 今年の9月、新作能「水軍女王」を演ずるにあたって、その基本的な型を学んだ(まこちゃん先生、ありがとうございました)。
 軍服にブーツ、なので、ジャージにブーツをはいて、夜の公園で稽古をした。
 本当に近代的、いや現代的だ。
 その公演も無事終了。

 そして、今、能の仕舞「船弁慶」をおさらい中。しかし、三畳のアパートで稽古は出来ない。ウィンド・ブレーカーを着て、再びブーツをはいて、夜の公園に赴き、扇を広げ、船弁慶を舞う。
 能は摺り足、ということで、公園の土に、仕舞の軌道線がくっきりと残される。
 
 軍服でブーツが近代居合術なら、ウィンド・ブレーカーにブーツは、現代能?
 ん〜、新しい作品が出来そうだ!

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2009年10月30日 (金)

2009年、小学校の窓から聴こえる音楽の授業は?

 今年の雇用状勢も更に深刻化を増しているという。上野の炊き出しに並ぶ人は、例年の2倍に増えているという。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091015k0000m040046000c.html
 日本の不況は、さらに続いている。
 今の子どもたちが、10年後、20年後に迎える日本の雇用状態、いや、日本の社会は、どうなっているのだろう?
 その子どもたちの歌声が小学校の校舎の窓から聴こえる。
 彼らが、「歌わされている」ものは?
 姿を変えた「小学校唱歌」だ。

 つまり「ぼくらは」「みんなで」「明るく」「輝く」「未来に」「希望を」「扉を」「開いて」「飛び立とう!」
 おそらく、社会が高度経済成長である時代には、「子どもたちよ、未来は今より富が増えている!」という歌が相応しかったのかもしれない。しかし、実際の60年代には「富士は日本一の山」、「忘れがたきふるさと」であり、国の讃歌だった。
 そして、この不況と雇用の深刻化に先の見えなくなった21世紀の社会になって、子どもたちが、澄んだ高い声をそろえて、「高度経済成長的小学校唱歌」を元気いっぱい歌い上げている。
 もし、「芸術家としての」音楽家が、この小学校の窓から聴こえてくる声に耳を傾けるなら、反吐(へど)が出るだろう。
 これは詩ではない。ただ国家政策として、「よき労働資本となり(税金をおさめて国家を支え)」、「政策に従順な」日本人を育成するため道徳律(moral low)、その戒律にメロディーをつけて、心に刻ませるための歌だ。
 「ペルセポリス」 http://ja.wikipedia.org/wiki/ペルセポリス_(映画) のアニメーションでは、革命後の1980年代イラン・イラク戦争以降、イスラム原理主義の教育に則って、女子学生は週に2回、校庭に整列をして、指導部のかける「物悲しい音楽」のテンポの合わせ、(痛みをこの身に刻む為に)心臓を叩き、戦死者の哀悼をするそうだ。
 異国のありさまを見て、「なんというプロパガンダ」とせせり笑うのだろうか、日本人は?

  小学校の窓から聴こえるこの歌は何を意味するのか?
 「いや、いつか日本はまた経済成長を始めるのだ」「日本の経済はかならず良くなる」という歌なのだろうか?
 あるいは、もうすぐすると、「貧しくても日本人の心を忘れるな」というプロパガンダに変更するのだろうか?
 音楽家といえども、その目的は人それぞれだろう。しかし、私個人としては、このような「戒律」を歌にして、子どもたちに歌わせたいとは思わない。というより音楽家としてこの音楽教育の現場に責任を感じる。
 
 というか、小学校を卒業すれば、二度とこのような音楽に接することはないだろう。
 音楽は、時代や主義、思想を越えた普遍を見抜くものだ。心の詩は、常に歌われている。その詩をもっともっと知ってほしい。

 「高度成長などない。なのにあの歌は、なんだったんだ?」
 あるいは、その歌を将来、懐かしむようになる今の子どもたち。その誤解の上に、彼らは、生涯「未来」「希望」を追いかけてゆくのだろうか?

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2009年10月 5日 (月)

記憶をたどると〜捕虜イスラエル兵のビデオ〜

 ロイター通信、アル・ジャジーラの報道を見れば、今、3年前にハマスによってガザで捕虜となったイスラエル兵のビデオが公開されたことがニュースになっている。
 http://news.yahoo.com/video/world/mideast-conflict
 これは、ギラ・シャリという23歳のイスラエル兵が、ガザの2009年9月14日(月)の新聞を持って、メッセージを伝え、撮影されたもの。
 イスラエルは19名のパレスチナの女性の保釈を決めた。
 しかし、現在でも10,000人のパレスチナ人が捕虜となっており、捕虜の交換取引が、話し合われている。
 ギラ・シャリは、「お父さん、お母さんのことを恋しく思っている。一日もはやく両親のもとに帰りたい」
 さて、1人の兵士に対して、何人のパレスチナ人が保釈されるだろうか?

 去年、テル・アビブ大学の前期の授業の最終日にあたって、みんなで、ワインや食べものを持ち寄って、「終了パーティーをしよう!」という時だった。その日、イスラエルの2人の兵士とパレスチナの捕虜の交換取引が行われた。
 当日、パレスチナ人は生きて解放されたが、イスラエルに帰って来たのは棺に入った2人のイスラエル兵。ちょうど大学2年生と同い年の兵士だったこともあり、大学の前期終了パーティーは、どの講座も全部取りやめ。大学には、学生ひとりひとりが、蝋燭を灯し、2人イスラエル兵の冥福を祈った。

 イスラエル政府、イスラエル軍がパレスチナに対する姿勢は、日頃全世界の知るところ。
 しかし、「両親のことをいつも思っている。恋しい。一日も早く家族のもとに帰りたい」というこのことば。イスラエル人がどれほど家族のことを思い、そのために(だけ!)ライフ・スタイルを送っているかを知っていれば、このビデオが流されれば、イスラエル国民は、その兵士の安否のことしか頭にないのは、私には手にとるようにわかる。
 彼らは、「当事者」であり、この情勢を、客観的に見る目がない。

 日本人にとっては、中東問題は、「当時者ではないから、どう関わっていいのかわからない」…実感も湧かない…たしかに。
 しかし、当事者ではないからこそ、「非当事者」として、客観的にこの状勢が、どのように映るのか?そしてどう考えるのか?そのことを発言してゆくことも、話し合いの道、和平への道へ協力できるひとつだと思う。
 それは、あくまでもどちらにおいても「非当事者」として。常に冷静な態度を維持し続けながら。

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2009年9月27日 (日)

「トイレの花子さんで割る」〜6年1組 算数の授業〜

「ある数字を1よりも少ない数で割ると、その答えは、『ある数字』よりも大きくなります」
 ?
 わかりますか?
 1よりも少ない数で、どうやって「割る」?
 
 この状況を「問題」にしてみよう。
 問題1
  ここに100円があります。2人の兄弟でこれを割ると1人はいくらもらえるでしょうか?
  100円を2人で割ると1人は50円になります。 100÷2=50円
  100円を4人で割ると1人分は25円になります。 100÷4=25円
  100円を5人で割ると1人分は20円になります。 100÷5人=20円
 つまり、割る数(この場合、兄弟の人数)が多くなる程、1人分が得るお金は少なくなります。
 一人っ子の場合、
 100円を1人で割ると1人分は100円 100÷1=100円

 では、問題2
トイレの花子さんの姿は、半分しか見えません。
 ここに100円があります。
 もしトイレの花子さんの姿が1人の人間になると、花子さんはいくらもらえるのでしょうか?
 100÷0,5=200円、つまり100÷2/1=200円
 (姿が半分の花子さんが100円もらえるのだから、「1」になった花子さんは200円もらえる)、あるいは、花子さん1人なら200円もらえるけれども半分の花子さんならば100円になる。
 トイレの花子さんの姿は3分の1(1/3)しか見えません。花子さん1人だと
 100÷1/3=300円
 トイレの花子さんの姿が4分の1(1/4)の場合、
 100÷1/4=400円
 トイレの花子さんの姿が5分の1(1/5)の場合、
 100÷1/5=500円
 つまり、トイレの花子さんの姿がだんだん見えなくなればなる程、1人の花子さんの得るお金は多くなります。

 では、トイレの花子さんの姿が完全になくなったとき、つまり、花子さんが、完全に霊界へと旅立ったとき、現世の花子さん1人がもらえるお金は?
100÷0=∞
 ?
 トイレの花子さんは、霊界で無限の富を得ることになりました。

 「あなたが天に昇るとき、あなたは永遠の命を得るであろう」(ヨハネ福音3章16節「…独り子を信じるものは、一人も滅びないで、永遠の命を得る」)
 仏教では、「極楽浄土は、無量の光(空間)、無量の寿(時間)でできている。これを阿弥陀(amitayus, amitabha)という。」 (浄土三部経「阿弥陀経」「観無量寿経」「無量寿経」)
 あるいは、Amitayusは「無限の寿命を持つもの 無量寿」、Amitabahは「無限の光明を持つもの無量光」であり、これを阿弥陀仏(あみだぶつ)と呼ぶ。

問題3
 そして、トイレの花子さんは霊界に行きました。
 現世では、いったい、いくらのお金があったのでしょか?

 100円÷2=50円
 なら50円×2=100円

しかし、
 100円÷0=∞
 だとしても
 ∞×0=0
つまり、霊界で無限の富を得た花子さんですが、現世でいくら存在していた(この問題2の場合100円があったのだが)花子さんには知るよしもないのです。
 というか。霊界に行った花子さんにとって、「現世」は存在していたのでしょうか?

 この現象を表す仏教用語に「空」というのがあります。
 つまり、霊界からすれば、現世はなかったのです。
 「色(100円)即 是(これ)空(0円)」
 
 こんなことも言えます。
 0は限りなく、1/∞(1を∞に割ったもの)。だとすれば、0とは言いがたい。ここで、0を1/∞に置き換えてみましょう。
 100円÷1/∞=∞
 ならば、
 ∞×1/∞=1
 つまり、1にもどるのです。
 これは、100円ではないのですが、「1」という「存在」を証明しています。
 つまり
 「空(0円)即 是(これ)色(1)」

 ここが、現世という現象は不確定であると言われる由縁です。

 数学が宗教を生み出したのでしょうか?
 

 

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2009年9月 8日 (火)

アートはテロだ!

 ”Three Folk Songs for Makiko”は、1994年ベルリンで、ピーター・ガーランドによって作曲されたピアノの弾き語り曲。3部構成になっている。
 この作品の演奏中に、ティナ・モドッティの写真作品を映像で紹介する。映像は相内啓司。

 1.Flower for Tina(for Tina Modotti)
 2.Makiko’s Springtime Song(for Makiko Sakurai)
 3.”My Name is Hope”(for Rasaura Revuelta)

ティナ・モドッティ(1896-1942)
 イタリアの女優、写真家、革命家。写真家、エドワード・ウェストン(1886-1958)のモデルになり、愛人にもなり、しばしばメキシコを訪れるようになった。そのころから彼女自身、写真を撮るようになった。さらにそのころ、メキシコでは社会革命が起こり、革命運動を始める。1930年にはメキシコから追放される。スペイン内乱でモスクワからスペインに潜入。1936年から39年まで、人民戦線に加わる。1942年に死因不明の死を遂げる。その墓碑にはパブロ・ネルーダ(1904-1973)の詩が刻まれている。1曲目では、ガーランドによる歌詞が歌われる。
 「ティナ・モドッティは、決して眠らない。哀しみの魂は歌われ、その炎は、決して消えることはない。」

 シルベストレ・レブエルタス(1890-1940)
 メキシコの作曲家。1929年から35年までメキシコ交響楽団の指揮者助手をする。スペイン内乱で、スペインに潜入。人民戦線の義勇軍として戦うが、フランコ将軍の勝利により、メキシコに帰国。メキシコで教鞭を取るが収入に乏しく、アルコール中毒の日々を送り、1940年に死亡。映画音楽、室内楽曲、歌曲、交響詩を残す。

Theatre Project 「アートはテロだ!」
 
日時:9月11日(金) 開演18:30(開場18:00)
 
1-現代音楽能WORLD 18:30〜19:30
  桜井真樹子 演出「水軍女王」 
  原作・脚本・演出・シテ(鬼神・月光菩薩):桜井真樹子、ワキ(僧):井川仁水、小鼓:今井尋也、
  能管・龍笛:滝沢成実、地謡:佐久間二郎、映像;相内啓司、録音:鎌田岳彦 
 
ピーター・ガーランド作曲”Three folk song for Makiko” 
  ピアノ・歌:桜井真樹子 
 
2-オペラWORLD 
 
3-現代演劇WORLD 
 
(終演予定 21:00) 
 
場所:横浜みなとみらい地区 赤レンガ倉庫 3Fホール
   
JR・市営地下鉄「関内駅」より海側へ 徒歩約15分   
   
みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分
  
「みなとみらい駅」より徒歩12分

    http://www.yokohama-akarenga.jp/access/ 
 
入場料:3,500円(前売り) 4,000円(当日) 学生2,500円(要学生証)
 チケット予約・問い合わせ:080-6705-1359(今井)、 080-1171-3338(金澤)
   jinya_megalo@rg7.so-net.ne.jp
   http://www.megalo.biz 

主催:9.11シアタープロジェクト実行委員会
 
コマーシャル:http://www.youtube.com/watch?v=ElUukVKe_5g

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2009年9月 6日 (日)

「水軍女王」あらすじ

 この作品を最初に書いたのは2003年のイラク戦争勃発を知ったとき。今回は2009年6月4日(木)バラク・オバマ大統領のカイロ大学の「イスラム社会に向けてアメリカと世界中のムスリムとの“新しい始まり”」 の演説の日を記して、現代音楽能として脚本を全編書き換えた。

 ある僧が、修行の山から下り「菩薩一行(人々とともに暮らすことを修行とする)」に励もうと、舟に乗り、島に向かう。そのとき、突如海は荒れ、女鬼神が現れる。「おまえの前世は、この海で、敵である私を背後から斬りつけ、死体となった私の身体を犯したのだ。」女でありながら、戦い続けた女武将は、その憎しみと怨みから心が鬼神となった。僧は、女鬼神に両目を奪われた。 
 遭難した島に暮らし、菩薩一行に励んだ僧は、やがて死を迎える。そのとき、月光菩薩が現れた。それは、僧の功徳によって、女鬼神が怨念から解き放たれた姿だった。
 月光菩薩は、「今なお戦いに明け暮れる国がある。その国にもう一度生まれ変わって、今生のように彼らに慈悲を与えてほしい」と。そして僧は再び両目を与えられる。それは青い目。
 
 人々を助ける人、それは、ある国では、僧侶、ある国では、聖職者と呼ばれるだろう。もし、彼の心が崇高であれば、その人は、国や宗教を越えて、貧しい人、嘆き悲しむ人々のもとに生まれ変わるだろう。聖者は、決して見捨てることなく、彼らのもとにやってくる。

Three Folk Songs for Makiko (1994) ピーター・ガーランド作曲
 1.Flower for Tina(for Tina Modotti)
 2.Makiko’s Springtime Song(for Makiko Sakurai)
3.”My Name is Hope”(for Rasaura Revuelta)

Theatre Project 「アートはテロだ!」
 
日時:9月11日(金) 開演18:30(開場18:00)
 
1-現代音楽能WORLD 18:30〜19:30
  桜井真樹子 演出「水軍女王」 
  原作・脚本・演出・シテ(鬼神・月光菩薩):桜井真樹子、ワキ(僧):井川仁水、小鼓:今井尋也、
  能管・龍笛:滝沢成実、地謡:佐久間二郎、映像;相内啓司、録音:鎌田岳彦 
 
ピーター・ガーランド作曲”Three folk song for Makiko” 
  ピアノ・歌:桜井真樹子 
 
2-オペラWORLD 
 
3-現代演劇WORLD 
 
(終演予定 21:00) 
 
場所:横浜みなとみらい地区 赤レンガ倉庫 3Fホール
   
JR・市営地下鉄「関内駅」より海側へ 徒歩約15分   
   
みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分
  
「みなとみらい駅」より徒歩12分

    http://www.yokohama-akarenga.jp/access/ 
 
入場料:3,500円(前売り) 4,000円(当日) 学生2,500円(要学生証)
 チケット予約・問い合わせ:080-6705-1359(今井)、 080-1171-3338(金澤)
   jinya_megalo@rg7.so-net.ne.jp
   http://www.megalo.biz 

主催:9.11シアタープロジェクト実行委員会
 
コマーシャル:http://www.youtube.com/watch?v=ElUukVKe_5g

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2009年9月 3日 (木)

アートはテロだ!

 2001年9月11日にアメリカの4機の旅客機がハイジャックされた事件は、「アメリカ同時多発テロ事件」と呼ばれ、9月12日には、国連で「テロ非難決議」を採択。
 当時のブッシュ政権は、国家戦略として、イラク、イラン、北朝鮮をテロ支援国とし、「先制攻撃は必要」という方針のもと、2002年イラク戦争に踏み切った。イラク戦争は今なお続いている。
 このようなこと、専門家以外は口にしてはならないこと、さらには、アメリカ政府の方針のもと「テロは犯罪」という共通認識を日本国民は持った。
 しかし、2001年の12月インドネシアを訪れた私の目に入ったのは、市場のいたるところに山高く積まれたオサマ・ビン・ラディンのTシャツ。
 そして、2008年の春4月から10月にかけてイスラエル、パレスチナに滞在した私が目にしてものは、イスラエル政府とその軍の圧倒的な強さ。「パレスチナは滅ぶ」私はそう思った。
 その中で、パレスチナ人は、テロを行う。「いかなる力の差があろうとも、「死」のレベル(一線)のみは平等」。「いかなる財力、権力があろうとも、「死」は、手をゆるめない。」
 非暴力を訴えるパレスチナ人もいる。それは、「国際社会」に訴えるために。
 
 この不平等。なぜ、こんなことが起こっているのか信じられなかった。パレスチナの人々は、自らがテロを「道徳として」禁止して、黙って殺されてゆくのだろうか?(それが、ホロコーストだった。)
 政治が提供する「道徳」に縛られて、「声」を上げずに死んでゆくことはない。人には、表現する力がある。
 ただ、芸術家として言うならば、「事件」は、その日のニュースとして、人に知られるだろう。しかし、詩は、歌われる、語られる。語り継がれる詩には、時代と国境を越えた、普遍の心が歌われている。政権が変わり、時代が変わろうとも、魂の詩は歌い継がれる。私たちは、美しい詩を知ることによって、その世界を実現しようとする。それが、「心静かな生活」「争いのない世界」。

 2009年の4月、ベトナムに行った。なぜ、こんなに優しい人々がアメリカに勝ったのだろう?彼らの姿を見て、初めて「パレスチナは滅びないかもしれない」と思えた。

Theatre Project 「アートはテロだ!」
 
日時:9月11日(金) 開演18:30(開場18:00)
 
1-現代音楽能WORLD 18:30〜19:30
  桜井真樹子 演出「水軍女王」 
  原作・脚本・演出・シテ(鬼神・月光菩薩):桜井真樹子、ワキ(僧):井川仁水、小鼓:今井尋也、
  能管・龍笛:滝沢成実、地謡:佐久間二郎、映像;相内啓司、録音:鎌田岳彦 
 
ピーター・ガーランド作曲”Three folk song for Makiko” 
  ピアノ・歌:桜井真樹子 
 
2-オペラWORLD 
 
3-現代演劇WORLD 
 
(終演予定 21:00) 
 
場所:横浜みなとみらい地区 赤レンガ倉庫 3Fホール
   
JR・市営地下鉄「関内駅」より海側へ 徒歩約15分   
   
みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分
  
「みなとみらい駅」より徒歩12分

    http://www.yokohama-akarenga.jp/access/ 
 
入場料:3,500円(前売り) 4,000円(当日) 学生2,500円(要学生証)
 チケット予約・問い合わせ:080-6705-1359(今井)、 080-1171-3338(金澤)
   jinya_megalo@rg7.so-net.ne.jp
   http://www.megalo.biz 

主催:9.11シアタープロジェクト実行委員会
 
コマーシャル:http://www.youtube.com/watch?v=ElUukVKe_5g

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2009年5月27日 (水)

子どもの産めない女(ひと)

もし私に子どもがいたら
それは、小さな子、
黒い巻き毛、そして賢い。
手をつないで歩く
ゆっくり、ゆっくり
庭の中を
小さな子どもと。

彼をウーリーと呼ぼう、
私のウーリー!
優しく、澄んだ
小さな名まえ。
小さな川の流れのように。
日に焼けた子どもを
“ウーリー”
と呼ぼう!

それでもラヘルのように神に不満を言うだろう。
それでもハナのようにシローで祈るだろう。
それでも私はその子を待っている。

詩:ラヘル
訳:桜井真樹子

「ラヘル」
 創世記第29章
 ヤコブは、ラケルに恋をし、彼女の父、ラバンにラヘルとの結婚を願い出た。そこで父親は、「七年間私のもとで働くならば、私の娘を嫁がせよう」と言った。
ヨセフは、七年間働き、婚礼の祝宴を開いた。しかし、朝になった新妻の顔を見ると、それは、ラヘルではなく、ラヘルの姉レアだった。
 そこでヨセフは「なぜ、あんなことをしたのですか?」すると父は、「我々のところでは、姉よりも妹を先には嫁がせない。もし、ラヘルと結婚したいなら、もう七年間私のもとで働きなさい」。そして、一週間の婚礼が終わり、ヤコブは、ラヘルも妻として迎えた。ヤコブはさらに七年間働いた。
 ヤコブは、レアよりもラヘルを愛した。
 それを知った神は、レアを思って5人の息子を与えたが、ラケルには一人の子どもも授けなかった。彼女は、神に不平を言い、姉のレアを妬むようになった。
 ラヘルは、彼女の召使いビルハをヤコブに勧めた。自分の召使いによって子どもを持とうした。ビルハは2人の息子を授かった。
 それを知ったレアは、自分の召使いジルパをヤコブに勧めた。そして、ジルパも、2人目の息子を授かった。そして、さらにレアももう1人の息子、もう1人の娘を授かった。レアは、6人の息子と1人の娘を持った。
 そして、最後にラヘルも1人の息子を授かった。その子を「ヨセフ(「家族に加えられる」という意味)」と名付けた。
 この12人の息子がユダヤ12氏族の祖先となる。

「ハナ」
 「サムエル記 第1章」より
 エフライムには、二人の妻がいた。ペニナとハナ。ペニナには息子も娘もいたが、ハナにはいなかった。年に一度、シローに上り、神に礼拝をし、生け贄をささげていた。エフライムの一家がシローに上ったとき、ハナは、自分に子どものいないことを嘆き、涙のうちに神に祈った。「もし、私に男の子を授けて下さったなら、そこ子を一生、神に仕える者として、主にお捧げします。」
 そして、家に帰り、ハナは身ごもり、その子をサムエル(「その名は神」という意味)と名付けた。サムエルは、最初の預言者となった。

6月27日(土)のライブでは、オリジナルのヘブライ語で歌います。

http://www.youtube.com/watch?v=Pb8j7kguu78&NR=1 (最初の曲。Noaは”Uri”というタイトルで歌っている)
http://www.youtube.com/watch?v=8iakk8ba7ww

http://www.youtube.com/watch?v=CQtj-AAB0aI&feature=related

越境する「声の人たち」
 
日時:2009年6月27日(土) 19:00〜
 
場所:千駄木ペチコートレーン 東京都文京区千駄木2-35-7
   
  Tel: 03-3821-8859
 
チャージ:1,000円+投げ銭
 
出演:桜井真樹子(天台声明・vo)
、三枝彩子(モンゴルのオルティンドー・vo)
、徳久ウィリアム(ヴォイス・vo)
、 高橋裕(ギター)
    
ゲスト:立岩潤三(パーカッション)、赤羽美希(鍵盤ハーモニカ、アイリッシュ・ハープ)
 

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2009年4月27日 (月)

南の国の物語(ベトナムの神話より)

 むか〜し、むかし、南の国に、「アン・ズォン」という王さまがいました。海のように広がる池のふもとで、「人々が平和に暮らせるにはどうしたらよいのだろう?」と祈り、瞑想をしていると、亀の姿をした神「キム・クイ」が池の中から現れました。
 「この池のふもとから螺旋の階段を持つ城を建てなさい」
 そこで、アン・ズォン王は、そのとおりに城を建てると、とても誰にも攻め入ることのできない「コーロア城」が出来上がりました。

 王は、人々と手を取合ってよろこびました。

 アン・ズォン王は、コーロア城の完成を感謝して、螺旋階段を降り、池のふもとで、祈りを捧げ、瞑想をしていると、再びキム・クイ神が池の中から現れました。
 「私の爪から弓を作りなさい。その弓は、一矢で千人を倒すことができるだろう。」
 キム・クイ神は、自分の亀の足の爪をアン・ズォン王に与えました。そこでアン・ズォン王は、そのとおりに弓を作ると、とても強い弓ができました。
 
 人々は、その国で、田を耕し、仕事が終わると、歌を歌い、そして踊り、楽しく、平和に日々を暮らしていました。
 
 ある日、南の国よりもはるかに大きな力を持った北の国が攻めにきました。
 しかし、固いコーロア城は崩れず、キム・クイの爪から作った弓で、一度に千人の兵士が倒れてゆくのを見て、攻め入った北の国の「チョー・ダ」王は、アン・ズン王に休戦を申し込みました。

 そこで、チョー・ダ王の息子「チュン・トォイ」は、アン・ズォン王の娘「ミィ・チャウ」と結婚することになり、チュン・トォイがコーロア城にやって来ました。
 華やかな結婚式が、行われ、人々は踊り、歌い、ふたりを祝福しました。

 ふたりは、仲良く暮らしました。

 ある日、父のアン・ズォン王が狩りに行っている間に、チュン・トォイは、妻のミィ・チャウから弓のある場所を教えてもらい、それを自分の弓とすり替えてしまいました。

 お彼岸の日、チュン・トイは、祖先の供養をするために、北の国に帰らなければならないにと妻のミイ・チャウに言いました。
 「もし、万が一、戦いにでもなったら、どうやってお前を探せばいいのだろうか?」
 「戦いが始まったら、私は鷲鳥の羽で作った着物を来て、その羽をひとつずつ落としてゆきます。それを探して私を見つけ出して下さい。」

 チュン・トイが帰ってほどなく、北の国は、再び戦いを仕掛けてきました。
 娘は夫の裏切りを悲しみました。
 アン・ズォン王が敵に弓を引いても、敵は一人しか倒せません。じわじわと、北の国に攻め入られてゆきます。
 その夜、亀の姿をしたキム・クイ神が再びアン・ズォン王の前に現れ、「おまえの娘が、弓のありかを敵の王の息子に教えたからだ」と告げました。

 王は、娘の裏切りに怒り、娘を斬り殺しました。
 そして、娘を殺したことを嘆き、自殺しました。

 チュン・トイは、誰よりも先に城に入り、鷲の羽を追ってゆきました。しかし、そこで見たものは、無惨に殺された妻の姿でした。

 チュン・トイは妻を抱いて、池の中に入り、自らの命を終えました。
 
 その戦いの後、池から続く海には、真珠がたくさん採れるようになり、人々は、ミィ・チャウは真珠になったと言うようになりました。
 その真珠をかつてのコーロア城のふもとの池で洗うと輝きが増すと言われ、池のふもとの人々は、海で採った真珠を村に持ち帰り、真珠の首飾りをつくる村として、人々に知られるようになりました。

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2009年1月29日 (木)

スモーキーベアの経文

不動明王

1億5000万年前、ジュラ紀のころ、果てしない宇宙の片すみで、大日如来は、そこに集まる万物万象に、優れた説法をしていた。立ったり歩いたり飛んだり座ったりしているものたちに…種子から生まれた130億もの草たちさえも、そこに集まっていた。それは、「地球の悟り」についての説法だった。

南無阿弥陀仏

 「後の世に、アメリカと呼ばれる大陸が現れるだろう。そこには、ピラミッド湖、ワォールデン池、レーニア山、ビッグサー、エヴァーグレーズなどと呼ばれる大いなる力の源が現れて、その力を伝えるコロンビア川、ミシシッピ川、グランドキャニオンという水脈、峡谷が現れるだろう。その時代の人類は、ありとあらゆる苦境に陥り、優れた聡明な仏性にもかかわらず、実際には、すべてを破壊するだろう。」

南無大師遍照金剛

 「大いなる山々の曲がりくねった地層、大いなる火山の脈動は、地球深くに燃える私の愛である。私の頑強なる慈悲は、片岩、玄武岩、花崗岩であり。やがて山となり、やがて雨を地上に降らす。」

南無阿弥陀仏

「後世、アメリカの時代、私は新たな姿でそこに入ってゆくだろう。絶望的な飢えをかかえて探し求める愛なき知識、いくら食べても満たされない思慮なき憤怒の世界を治療するために。」

 そして、彼は真実の姿を現した。

スモーキー・ザ・ベア
スモーキー・ザ・ベア
スモーキー・ザ・ベア

 ハンサムな、燻(いぶ)し色、茶色の熊。彼は、後ろ足で立ち、油断ない様子で立ち現れた、

 右手の「シャベル」は、表層の下に隠された真実を掘り起こし、無用な執着を根こそぎ切り落とし、貪欲と争いの火に濡れた砂を投げ込む。

 友情の徴(しる)である印契(ムードラ)を結ぶ彼の左手は、すべての生物が、与えられた領域で生きる権利を持つことを示し、鹿、うさぎ、シマリス、蛇、タンポポ、とかげのすべてが、仏の教え(ダルマ)に治められた世に生きることを示す。

 彼が身に着けているのは、奴隷、労働者の象徴である青いオーバーオールの作業着。それを着た数えきれない人々が、「救済する」などと言っては、実はただ破壊を繰り返す文明社会に虐げられてきた。

 頭にかぶっているのは、西部の広いつばのある帽子「ウェスタン・ハット」。荒野を守る力の象徴。この荒野こそ、仏の教え(ダルマ)に治められた本来のアメリカ、地球上の人間の真実の道。

すべての真実の道は、山々を通りゆけて行く。

 その背後には、煙と炎の光輪、末世の山火事だ。「物事を手に入れることも失うこともできる」と考える人々の愚行が引き起こした火災だ。実際には、「一心」に集められた青い空、緑の地球に、すべてが広大無限に包有されているというのに。

 彼の思いやりに満ちた性格を示す丸いお腹は、偉大なる地球が、地球を愛し、信じるすべてのものに、充分な食べ物を与えることを示している。

 不経済な高速道路、必要のない郊外を踏みつけ、資本主義と全体主義の虫けらどもを握りつぶす。

 そして信者に課題を示す。車、家、缶詰、大学、靴からから解放され、自己の身体、言葉、心という三つの神秘を修得し、この「アメリカ」という国の腐った木々を思い切って切り倒し、病気になった枝葉を剪定し、切り取ったそれらの屑(くず)を燃やすという課題を。

 激怒することなく静かに、厳格ではなくひょうきんに、スモーキーベアは、彼を助ける人々を照らし出す。しかし、彼の邪魔をしたり、悪口を言う人々に対して、

彼は、怒るぞ
彼は、怒るぞ
彼は、怒るぞ
彼は、怒るぞ
彼は、怒るぞ

 したがって、彼の大いなる真言は、このように。

 「ナマ・サマンタ・ヴァジュラナム・チャンドラ・マハロシャナ・スファタヤ・フム・トゥラカ・ハム・マン」
 「私は、あまねく金剛に帰依します。憤怒なる金剛よ。破壊せよ。」

 そして彼は、森や川を愛するものたちを守るだろう。神々、動物、浮浪者、気違い、囚人、病人、音楽家、陽気な女たち、そして希望あふれる子どもたちを。

 そして、もし誰が、宣伝広告、空気汚染、テレビ、警察に脅かされたら、彼らは、スモーキーベアの戦いの呪文を唱えるといい。

この野郎、溺れて死んじゃえ
この野郎、ぺしゃんこにしちまえ
この野郎、溺れて死んじゃえ
この野郎、ぺしゃんこにしちまえ
×(くりかえし)3回


 そうすればスモーキー・ベアは
 そうすればスモーキー・ベアは
 そうすればスモーキー・ベアは
 必ず「金剛シャベル」を持って、敵を追い出すために現れる。

南無大師遍照金剛

 さて、この経文を朗唱し、日々それを行う人々は、アリゾナ、ネバダの砂漠の砂粒ほど無数の数えきれない功徳を積むだろう。

 水面に浮く油の流出から地球を救う手助けをするだろう。
 人類と自然の調和の時代に入って行くだろう。
 男、女、野獣たちの優しい愛と抱擁を勝ち取るだろう。
 いつも、食べるための熟れたブラックベリーがあり、松の木の下には、座るのに適した日当りのよい場所があるだろう。

 そして最後に、彼らは、至高の完全なる悟りを得るだろう。

このようして私たちは集まっていた。

テキスト:ゲーリー・スナイダー
訳:桜井真樹子

「紫燈護摩(さいとうごま)」と「スモーキー・ザベア・スートラ(ピーター・ガーランド作曲 世界初演)」
月日:2月1日(日)
時間:15:00〜16:00紫燈護摩
   17:00より「スモーキー・ザ・ベア・スートラ」
場所:大徳寺本堂1階 (川口市道合1221)http://www.daitokuji.or.jp/
出演者:桜井真樹子、藤木友美(声明)、井川仁水、斉藤説成(法螺貝)、神田佳子(テンプル・ベル)、加藤亜依(チューブラ・ベル)、篠田浩美(バス・ドラム、ウッド・テンプル・ブロック)、亀井博子(バス・マリンバ)
紫燈護摩:円蔵院流修験道の会
料金:「紫燈護摩お札祈祷料・ごま木」と「スモーキー・ザ・ベア・スートラ」 5,500円
   「スモーキー・ザ・ベア・スートラ」のみ 当日2,000円 前売り1,800円
その他:「スモーキー・_ザ・ベア・スートラ」のみの方も紫燈護摩見学できます。
    紫燈護摩「火渡り」も、一般参加出来ます。
    車でご来場の方は、問い合わせ先(大徳寺)までご連絡下さい。 
問い合わせ先:jitie@alo.com 048-283-9310 (大徳寺)
主催・企画:スモーキー・ザ・ベア・スートラの会

「柴燈護摩」は、今回のガザ侵攻によって亡くなられたすべての人々の慰霊のために行われます。

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